私は毎年1月初めに福袋を購入していました。お気に入りのお店が販売している福袋が、お店側のサービスで成り立っているようなお得なものだったからです。そのお店の通常単価はキャミソールが2~3000円・スカートが5000円でワンピースが7~8000円程度です。コートは9000円から2万円程度と若干高めの値段設定ですが、どれも温かく生地の肌触りもよいため気に入っていました。福袋の価格は決まって1万円を少し切るくらいの価格だったため、最初はあまり期待をしていませんでした。しかし、袋を開けて吃驚!薄手のキャミソールにワンピース、カーディガンに手袋、厚手のストールやふんだんに綿の入ったダウンコートと盛り沢山の品が入っていました。それぞれの質も通常販売しているものと変わりなく、温かくかわいらしいデザインで、とてもいい気分になりました。
 しかし、その翌年そのお店は遠方に移転してしまい、福袋を購入するためだけにお店を訪ねることが難しくなりました。そのため、近場の商業施設をウィンドウショッピングしていたところ、とある一店が目に留まりました。そのお店は高品質高価格の商品を提供しており、前述の店と比較して約2~3倍の値段で質の良いものを提供していました。当然福袋も高級だろうと見てみると、驚きの1万円ぽっきり。他に福袋を購入する宛てがなかった私はその福袋を購入することにしました。しかし、喜んでいた気持ちは家で中身を確認した途端一気にしぼんでしまいました。内容は薄手の下着にセーター、モッズコートだったのですが、どれもそのお店のものとは思えない程粗悪な品だったのです。1万円しか出していないのに高品質を求めるのはお角違いなのかもしれません。しかし、お店の名前で安心して購入したものが粗悪品だったショックはとても大きなものでした。
 この二店の福袋を通して思ったのは、福袋は確かにイベント品で通常販売の品と異なりますが、それでもお店の名前を背負っている品に変わりはないということです。普段よりお得な価格で多くを求めるのは確かにムシのいい話かもしれません。しかし、お店の真心が感じられる福袋こそ、その年最初の福を運んでくれるものではないかと私は感じました。